「味覚焼き」
1パック15個入り 350円
旧嘉穂郡嘉穂町(現嘉麻市)は、まだ小学校に上がる前の一時期に私が暮らしていた町である。
三つ子のたましいなんとやら、この年頃の経験は何十年経っても体の隅で息づいているものだ。
味覚についても然りだろう(ここは洒落じゃないよw)。
あの町での楽しみのひとつに、3歳違いの弟と行く床屋があった。弟のお守をしつつ窮屈な散髪が終わった後には、いつも同じ店でお土産を買って近くにある母の実家に持っていき、伯母やいとこ達といっしょにわいわい食べるのだ。
当時既に新しいとは言えなかったその小さな店の店頭では、じいちゃんとばあちゃんがせっせとたこ焼きを焼いていた。
生地を流して、”何か”をパラパラっと入れて、くりんくりん返して、醤油を塗って、コロコロころがして美味しい粉つけて・・・と、飽きもせずに見入ったものだった。
折箱に詰められたそれは、もって帰った頃にはだいぶん冷めてしまってて、なおかつ箱の形に四角く固まってしまってたけれども、染み込んだ醤油やまぶされた粉の味がぎゅっと凝縮されたような、子供の私にとっては至高の一品だった。
だから、その後現在に至るまでたこ焼きの基準はあの店になってしまっている。
やがて引っ越して小学校に上がってから後、行動半径の広がりとともに色んな食い物を経験していく中でも、やっぱりたこ焼きに関してはその基準が翻ることはなかった。
今時評判のどの店も”外はカリっと中はトロリと”が当たり前で、確かにそれも美味しいけれど、でも体が渇望するのは、小さくて硬いあのたこ焼きの味になってしまう。
ずいぶん経って再訪した際、店がなくなってたときは心底ショックだったなぁ。
自作もしてみたが、30年も前のこと、うまく再現できないし。
そんなときに出会ったのが、ネットでの食べ歩きリポだ。
いつも覗いてるマニさんのブログ。
たこが入ってない・揚げ玉・醤油だれ・かつぶし粉がかけられた「味覚焼き」だって?
ちょっと待て!
更に、筑豊中心ってことで最近見始めたなつさんとこのログにも。
似てるぞ。記事の印象が記憶と一致し始めた。
目指すは飯塚だ!!
たかがたこ焼きと渋るカミさんを、美味いもの食わせるから(実はうどんw「あぐんちゃ」参照)と説得して、探索ドライブに出発!
ずいぶん変わったり変わってなかったりする飯塚の町をちょっとうろうろするかしないかのうちに、あっさり店はみつかった。

やっぱりこぢんまりした構えで、やっぱりばあちゃんが店頭にいる。
店内も満員で通りに駐車した車中でも出来上がりを待ってるようだ。
番号札をもらい、なんだかドキドキしつつ10分待機してようやくゲット。15個350円なり。
車に戻って包みを開けたとたんに立ち上る懐かしいその香り。
四角く固まったその容姿。
食う前からわかった。お久しぶり!!

満を持して、ハフっと一個口にすると、ザラつくかつぶし粉とあっさりした醤油の味が、また噛みこむとネギと揚げ玉の風味がにじみ出てくる。
あの頃より上等な味になった気もするが、もう間違いはない。
一人一パックずつ食い終わって、すぐさま店にとって返す。
もちろん”お土産”を買うため、そして確信を事実とするためだ。
待ち客は引きも切らず、再び待機すべく札をもらうが、その際おもいきって尋ねてみた。
「昔、嘉穂町の大隈でやってらっしゃいましたよね?」
大将はにこやかに「はい、あそこでやってました。」と答えてくれた。
ああ、ありがとうございます。これで、この30年来のセンチメンタルジャーニーが完結します。
それから合間に少しだけ聞けた話では、嘉穂町の店は40年ほど営業し、10数年前に飯塚に移転したそうだ。
いまや飯塚の名物。ソウルフードである。
長かったなぁ。そうだよ。自作してもうまくいかないはずだ。そもそもたこ焼きじゃないしね。
品物を受け取るとき、「今度は店内で食べてくださいね。もっと美味しいですから。」と言ってくれた大将。
もちろん。また来るきね。
飯塚市本町8−7
1パック15個入り 350円
旧嘉穂郡嘉穂町(現嘉麻市)は、まだ小学校に上がる前の一時期に私が暮らしていた町である。
三つ子のたましいなんとやら、この年頃の経験は何十年経っても体の隅で息づいているものだ。
味覚についても然りだろう(ここは洒落じゃないよw)。
あの町での楽しみのひとつに、3歳違いの弟と行く床屋があった。弟のお守をしつつ窮屈な散髪が終わった後には、いつも同じ店でお土産を買って近くにある母の実家に持っていき、伯母やいとこ達といっしょにわいわい食べるのだ。
当時既に新しいとは言えなかったその小さな店の店頭では、じいちゃんとばあちゃんがせっせとたこ焼きを焼いていた。
生地を流して、”何か”をパラパラっと入れて、くりんくりん返して、醤油を塗って、コロコロころがして美味しい粉つけて・・・と、飽きもせずに見入ったものだった。
折箱に詰められたそれは、もって帰った頃にはだいぶん冷めてしまってて、なおかつ箱の形に四角く固まってしまってたけれども、染み込んだ醤油やまぶされた粉の味がぎゅっと凝縮されたような、子供の私にとっては至高の一品だった。
だから、その後現在に至るまでたこ焼きの基準はあの店になってしまっている。
やがて引っ越して小学校に上がってから後、行動半径の広がりとともに色んな食い物を経験していく中でも、やっぱりたこ焼きに関してはその基準が翻ることはなかった。
今時評判のどの店も”外はカリっと中はトロリと”が当たり前で、確かにそれも美味しいけれど、でも体が渇望するのは、小さくて硬いあのたこ焼きの味になってしまう。
ずいぶん経って再訪した際、店がなくなってたときは心底ショックだったなぁ。
自作もしてみたが、30年も前のこと、うまく再現できないし。
そんなときに出会ったのが、ネットでの食べ歩きリポだ。
いつも覗いてるマニさんのブログ。
たこが入ってない・揚げ玉・醤油だれ・かつぶし粉がかけられた「味覚焼き」だって?
ちょっと待て!
更に、筑豊中心ってことで最近見始めたなつさんとこのログにも。
似てるぞ。記事の印象が記憶と一致し始めた。
目指すは飯塚だ!!
たかがたこ焼きと渋るカミさんを、美味いもの食わせるから(実はうどんw「あぐんちゃ」参照)と説得して、探索ドライブに出発!
ずいぶん変わったり変わってなかったりする飯塚の町をちょっとうろうろするかしないかのうちに、あっさり店はみつかった。

やっぱりこぢんまりした構えで、やっぱりばあちゃんが店頭にいる。
店内も満員で通りに駐車した車中でも出来上がりを待ってるようだ。
番号札をもらい、なんだかドキドキしつつ10分待機してようやくゲット。15個350円なり。
車に戻って包みを開けたとたんに立ち上る懐かしいその香り。
四角く固まったその容姿。
食う前からわかった。お久しぶり!!

満を持して、ハフっと一個口にすると、ザラつくかつぶし粉とあっさりした醤油の味が、また噛みこむとネギと揚げ玉の風味がにじみ出てくる。
あの頃より上等な味になった気もするが、もう間違いはない。
一人一パックずつ食い終わって、すぐさま店にとって返す。
もちろん”お土産”を買うため、そして確信を事実とするためだ。
待ち客は引きも切らず、再び待機すべく札をもらうが、その際おもいきって尋ねてみた。
「昔、嘉穂町の大隈でやってらっしゃいましたよね?」
大将はにこやかに「はい、あそこでやってました。」と答えてくれた。
ああ、ありがとうございます。これで、この30年来のセンチメンタルジャーニーが完結します。
それから合間に少しだけ聞けた話では、嘉穂町の店は40年ほど営業し、10数年前に飯塚に移転したそうだ。
いまや飯塚の名物。ソウルフードである。
長かったなぁ。そうだよ。自作してもうまくいかないはずだ。そもそもたこ焼きじゃないしね。
品物を受け取るとき、「今度は店内で食べてくださいね。もっと美味しいですから。」と言ってくれた大将。
もちろん。また来るきね。
飯塚市本町8−7
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